この度、映画「どうにかなる日々」の公開を記念いたしまして、キャストによる舞台挨拶を実施し、
Episode1より小松未可子さん、Episode2より櫻井孝宏さん、山下誠一郎さん、
Episode3と4より木戸衣吹さん、石原夏織さんが登壇いたしました!
公開を迎えての想いや完成した本編を観た感想について語りました。
冒頭の挨拶で、
小松は「ようやく公開できることをうれしく思います。
お客様が入っての舞台挨拶は1億年ぶりじゃないかなと思ってしまうほど、久しぶりな感じがしています。
今日はどうぞよろしくお願いいたします」と満面の笑みを浮かべた。
櫻井は「この回に駆けつけていただいて本当にありがとうございます。
短い時間ですが、楽しくおしゃべりしていきたいと思います。よろしくお願いいたします」と会場を見渡し、ニッコリ。
山下は「みなさんと一緒に『どうにかなる日々』の感動を分かち合いたいと思います」と笑顔で挨拶。
木戸が「みなさんこんにちはー!」と会場に向かって手を振ると、場内は大きな拍手に包まれる。
続けて「皆さんに観てもらってはじめて映画は完成するものと思っています。今日はどうぞよろしくお願いいたします」と微笑んだ。
石原は「この日を迎えられたことを本当にうれしく思います。どうぞよろしくおねがいいたします」と手を振りながら挨拶をした。
完成した映像を観た感想について、
小松は「原作で読んだときには、女性同士の出来事で結構生々しくリアルに描かれていると感じました。
アフレコのときには、他のみなさんも同じかとは思うのですが、ナチュラルにそこにいるというのを意識して演じていました。
完成したアニメーションを観たときには、原作の志村先生のホッとするような繊細なタッチはそのままに、
生々しいと感じていたシーンもファンタジー過ぎずに、すごく美しく描写がされていると感じました。
誰かの日常を切り取り、それをいろいろな人の視点でフィルターをかけて見ている、そんな印象を受けました。
リアルタイムで(出来事を)追っていると生々しいものがあるかもしれないのですが、
思い出のもとで描かれている、どこかほっとするというか、少しだけ幸せ感のようなものが感じられる描写だな、と。
共通の元カノを振り返って思い出に浸るシーンはとても切なくて、淡い。
切ないって(胸が)痛いはずなのに、なんでこんなに温かいのだろうって、
きっと、みなさんの中にも似たような感情があるんじゃないかなと思います。
もちろん物語の中に、大きな感情はいくつかあるのですが、アニメーションとして観たときに、
自分の中には名前の付けられない感情がこんなにたくさん生まれていたんだなと、
自分の人生に置き換えてひしひしと感じていました」と語った。
櫻井が「(山下が演じた)矢ヶ崎くん元気かなーって思いました」とコメントすると、山下はすかさず「元気です」と返答。
続けて「生徒の立場の言葉じゃないのかもしれないけれど、(櫻井が演じた)澤先生は表情が豊かで可愛らしいんです。
先生の表情と色鮮やかな背景がすごく印象的でした」とニッコリ。
すると櫻井は「そうなんですよ」と納得の様子を見せながらも
「でもあれって、澤先生の中で起きている出来事で、彼は1年かけてじわっと変化していく。
今まで眺めていたものに、その輪の中に自分から飛び込もうって動く。
傍から見ると本当にかすかな変化に見えても、彼にとってはすごく劇的な変化で、彼にしか分からない。
もしかしたら、彼も気付いていないかもしれない。
そんな変化が彼の中に訪れていることを感じながら収録していました」と澤先生の変化を解説。
山下と2人だけだったアフレコを「とても静かな収録でした。2人とも目も合わさずに台本と睨めっこしていました」と
振り返った櫻井の言葉に「2人なのに?」と小松が質問。
すると、山下は「僕は(澤先生に)告白する前だったので、照れもありました。
役になり切っていて目が見られなかったと信じています」と説明。
櫻井は矢ヶ崎くんというキャラクターがよく分からなかったと前置きし「(最初は)なんだこいつは」と思っていたとコメント。
続けて「そう思う人もいると思います。だって、あそこ職員室ですよ。
(告白ができるような)そういうシチュエーションではないですよね。
それなのにいきなり『澤先生、首、きれいですね』ってね」と自身の首を触りながら収録シーンを振り返ると、
山下が「首、きれいですね」と改めて伝える場面も。櫻井が「ありがとうございます」と照れた表情を浮かべると会場が笑いに包まれた。
山下は「いろいろな捉え方ができる作品だと思います。『首、きれいですね』というセリフは、
好きって伝えるためのクッションなのかなという捉え方もできると思います。矢ヶ崎くんは表情には出さないけれど、
彼なりの一世一代の勝負感みたいなものがあったのかなと思いながら演じていました」と分析。
櫻井は「答えがないから解釈するしかない、そこがこの映画のおもしろいところだと思っています」と作品の見どころを説明した。
アフレコのときは7割の映像が完成していたことに触れ、
木戸は「最初に映像を観たときは、すごいなと感動しました」とコメント。
石原は「自然な生活音が流れていたので、演じるときにはリアルな感じを出すことを意識していました」と振り返る。
木戸は「温かいけど、切ないという原作の世界がいい感じに映像化されていました」とコメント。
人間の男の子役は初めてという木戸は「声を作るよりも気持ちを作って演じることを意識しました」と役作りを振り返った。
監督からは声変わりを意識せずに演じるようにというリクエストがあったことも明かしていた。
みかちゃんは、ませていると感じたという木戸と石原。
木戸は「私の小学生時代なんて、かき氷がわりに雪を食べているような子でした、雪国育ちなので」と告白し、会場の笑いを誘った。
石原は「大人な部分も、子供な部分もあるし、やっぱり人間って複雑だなというのが伝わればいいと思って演じていました」と
アフレコ時の心境を明かした。
ここで、イベントに不在のEpisode1に出演の花澤香菜、Episode3に出演のファイルーズあいの2人からのメッセージが到着。
花澤からは、「せっかくの舞台挨拶の機会に参加できないのがとても寂しいです。皆さま楽しんでいらっしゃいますか?
この作品は、誰にも話したことはないけれど当事者にとって大事な出来事を、
第三者の目でこちらもそわそわしながら見守っているような、
秘密を共有してしまうような、うまく言えませんがそういう作品だと思います。
劇的に人生が動くわけではないけれど、そこで感じた痛みやときめきが原動力になって、どうにかこうにか日々を生きていける。
淡々と正直に映し出される日常は、客観的に見たら案外良いものかもしれません。
上映後皆さまの帰る足が、少しでも軽くなっていますように!」、
ファイルーズからは、「『どうにかなる日々』の舞台挨拶にお越しくださった皆様、ありがとうございます。
小夜子を演じさせて頂きました、ファイルーズあいです。
この作品は、心温まる二次元的なタッチの絵と、内容のリアルさのギャップがとても魅力的で、
見ているだけでとてもドキドキしてきます!そんなドキドキを、皆様にも感じていただけると嬉しいです。」と
メッセージが寄せられ、小松は「そんな素敵なコメント、どうやったら出せるんですか?」と花澤の言葉に感動した様子だった。
最後の挨拶で小松は「個人的には最後のえっちゃんのセリフが作品のすべてを表していると感じました。
少しの幸せをつかむのにとてもたくさんのことがあったけれど、最終的にはちょっと前に進めればいいじゃない、と
すごく心が軽くなるように描かれているところが好きです。いろんな愛の形があって、すべてに答えがあるわけではない。
そんな余白をしみじみと楽しんでいただければと思います。映画に登場するのは3つのエピソードですが、
原作ではいろんなエピソードがあるので、ぜひそちらも楽しんでください」と呼びかけた。
櫻井は「みなさんにも登場人物と同じように、自分にしかわからない人生のひとコマがたくさんあると思います。
この映画を観て、そんな人生のひとコマを素敵な経験だったな、いい思い出だったなと感じていただけたらうれしいなと思います。
今日は天気もいいので、素敵な土曜日過ごしていただければいいなと思います」と笑顔で挨拶。
山下は「『どうにかなる日々』を観て、肩の荷がスッとおりるような時間を過ごしていただければいいなと思います。
何度観てもおもしろいし、観るたびに発見がある作品です。お時間の許す限り、
劇場に足を運んでいただけたらうれしいです」と呼びかけた。
木戸は「たくさんの愛が詰まった作品です。その愛を感じていただけたらうれしいです」とコメント。31日の舞台挨拶に、
石原とともに登壇することに触れ「詳しくはツイッター、公式ホームページでチェックしてください」としっかりアピール。
石原は「みかちゃんたちを観ながら、忘れていた小学校時代を思い出しました。
自分とは違う経験だけど、思い出が蘇って心が温まります。
何度観ても心がぽかぽかする優しい作品です。31日の舞台挨拶にもぜひ遊びに来てください」と笑顔で呼びかけ、
イベントは幕を閉じた。